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【映画感想】 トランセンデンス ラストのシーンと"Transcendence"の意味


某映画批評サイトで この映画がなかなか良い!とあったためゲオで借りてきて見てみました。
以下感想

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目次

ストーリー(ネタバレ注意)
•粗が目立つディテール
•ラストのシーンと"Transcendence"の意味
•総評



ストーリー(ネタバレ注意)


物語の主人公は天才脳科学者であり夫婦でもある夫ウィル、妻エブリンの2人。ウィルとエブリンは シンギュラリティ(技術的特異点)への到達を目標に人工知能PINNを研究開発していた。
そんな中、自身の研究を発表する講演においてウィルは アンチテクノロジー集団の襲撃を受け余命1ヶ月の体になってしまう。
エブリンは最愛の夫ウィルと離れたくないためウィルの意識を人工知能PINNにアップロードさせ延命させようとする。
予想に反し実験は成功。
ウィルは肉体を持たない、ネット上の全ての情報にアクセスできる超知性体になった。

以後 物語はその超知性体ウィルとアンチテクノロジー集団RIFTとの攻防、超知性ウィルと妻エブソンとの人間愛にフォーカスし進んでいく



粗が目立つディテール


まず始めに言いたいのが とにかくディテールが雑だってこと。
とりあえず気になったのは、以下の2つ

•ウィル用の巨大施設を作るのに電力が必要→膨大な数の太陽光パネルを設置

いやいや 量子プロセッサー、人工知能、その他最先端なコンピューターがわんさかあるのに太陽光パネルはどう考えてもおかしい。太陽光パネルで賄える電力なんてたかが知れてるからな。太陽光パネルとか科学に門外漢な人が監修を務めたとしか思えない

 超知性ウィルのことなんだから 核融合炉とかを自らの頭脳で発明して〜   みたいなほうが科学的事実にも符号が合うし、ウィルの 超知性っぷりをアピールできたんじゃないんですかね。



•イブソン名義の株式会社が1日で 株の取引で3800万ドル稼いだってこと

即刻インサイダー取引疑われてFBI行きですよw
普通に考えなくてもおかしい。

「巨大施設を作るのに莫大な金が必要」→「膨大なネットの知識を使って株で大稼ぎ」
この流れ自体は良いよ。ウィルの超知性を上手く描写してるし。ただ1日で ってのがなんとも。物語の都合上、1日で ってのはわからなくもないがさすがに無理がありすぎ かと。
この場面だけ見るとウィルが 超知性どころか一手先も読めない無能コンピューターにしか見えない。


ディテールがあまりにも雑すぎる。細かいところとはいえSF映画なんだからある程度、現実の科学感に沿って欲しいところ。


ラストのシーンと"Transcendence"の意味


ラストまでの流れはこう。

イブソンは次第に 機械化したウィルから生前の人間らしさを感じられなくなるのと同時にウィルによる世界支配を恐れ、アンチテクノロジー集団に寝返る
ウィルを破壊するためのウイルスをまずイブソンに打ち込み、自死覚悟でイブソンがそれをウィルに打ち込むという作戦を決行しようとする
ウィルは人の脳の活動を視れるため当然イブソンの考えなんかは全てお見通し。
しかし
最後、ウィルはイブソンのウイルスを自分から受け、2人で最後を遂げる

というもの。

正直、このラストの流れ自体は物語の中後半ぐらいで察しがつくもの。ありきたり。

ただ ありきたりとはいえこのシーンは色々と考えさせられるかなと。ウィルの同僚の研究者は  「意識をコンピューターにアップロードする実験を猿で行ったが知性、意識はコピーされたものの感情だけはコピーされなかった」と物語中盤で言っている。ということはウィルにおいても感情はコピーされてなかったんだろう。
しかし物語の最後にとった行動は明らかにこのことに反する。感情がコピーされてないのだからイブリンのために死ぬ なんていう不合理な選択はどうあがいてもするわけがない。
これに 納得いくような説明をするとすれば 

例えば  ウィルは超知性ゆえ自身の感情すらも構築した     
という風に考えられる。

だけどここではそんな論理的な説明はいらない。
超知性がどうのこうのじゃなく単純に

2人の愛の力が機械の限界を、ロジックを  超越した    

と考えたほうが色々と感慨深くしみじみ来る。

物語のラスト、このことを裏付けるかのようにマックスはこう独白している。  「ウィル、彼は きっとはじめから彼女の望むもののために、彼女のために 色々とやったのだ」    と

つまりははじめからイブリンを愛する気持ちは変わっておらず、途中の暴走ともとれるウィルの行動も実はイブリンのためのもの。感情が潰えようがイブリンへの愛は不滅       だと

と考えるとタイトルの "Transcendence" 和訳すると  "超越"  には、「人間を超越する」という意味の他に「2人の愛がロジックを超越する」    という意味も含まれてるんじゃないかな。


正直全体的に見ると凡作感は否めないが、ラストのシーンはなかなか心にくるものがある。



総評


酷評の嵐が巻き起こってるほどの駄作だがラストのシーンはなかなか心にくるものがあるかなと。  まあでも人に紹介するほどのものでもない